同級生 Vol.01 YouTuber 佐野拓也さん

5年ほど前にこのネット社会に新しい革命が起こしたとも言えるのが、YouTuberの存在です。

本日は、同年代のYouTuber 佐野拓也さんにお話を伺いました。


ーゲスト

YouTuber 佐野拓也さん(26)

グループYouTuber「まいめんちゃんねる」のリーダーとして活躍中。

イケメン揃いのグループYouTuberとして、女子中学生・高校生を中心に大人気。

主に「やってみた系」「ネタ系」動画を配信。

年に10件ほど企業とタイアップした動画を配信しているのも特徴の1つです。

佐野さんと出会ったきっかけ

もともとは、YouTuberと1人のリスナーという関係でした。

ある日、佐野さんがTwitterでデザイナーを募集しており、私が連絡をとったことをきっかけに仲良くなりました。



ーいざ、対談

YouTuberとしての自分について

筆者:

佐野さんとは、なんだかんだで3年の仲だね。

普段から飲みに行ったりご飯を食べに行った時に必ずYouTubeの話しをしているけど、こういうのは初めてだね。笑


佐野さん:

そうだね!定期的にご飯にいったりしているよね。笑

お互い「YouTube好き」っていう共通点があるからね。



「YouTube始めようと思ったきっかけって?」

筆者:

佐野さん自身がYouTube始めようと思ったきっかけって何?


佐野さん:

きっかけは2つあるよ。

1.YouTubeでチャンネルを立ち上げ裏方として活動して「動画再生数を伸ばしたい」っていう気持ちがあった

純粋に面白そう思って始めた。

5~6年前は、自分もYouTubeでYouTuberの動画を観ていたんだよね。

当時は、観る専門だったから自分が動画に出る側になるなんて思ってもいなかったよ。表に立って何かをするセンスは、自分には無いから。

ただ、動画編集とか裏方としてYouTubeでチャンネルを立ち上げて「動画再生数を伸ばしたい」っていう気持ちがあったんだよね。それで、裏方として活動することを目的に普段からよく遊ぶ友達に「今のうちからYouTubeで動画投稿すれば人気になれると思うんだけど、誰かいい人いないかな?」とか話したり、相談をしてたんだ。

当時、相談していたうちの1人とチャンネルを立ち上げたよ。現在も一緒に活動しているマッシュってメンバー。

マッシュと僕がよく遊んでいた友達の仲に読者モデルをやってる子とか、アパレルで働いてる子がいて、ブログをやっていたんだけどブログでは有名になれなかったんだよね。それで「有名になりたいならYouTubeやろうぜ~!」って誘った。誘った後輩は、演者として活動してもらうつもりで。


2.動画について学ぶ方法の1つとして

僕はもともとWEB業界にいたから(今もメインはそれだけれども)これから動画の時代が来るってずっと言われていて「動画を学ばないと業界で生き残れないかも?」と感じていたから。

当時は今みたいに情報が多くなかったから、リサーチの為にYouTube始める前から有名なYouTuberに片っ端からアポ取って会いにいったよ。笑


筆者:

「動画の時代が来る」は、私も専門学校生の時によく聞いていたよ。

最近は、YouTuberだけでなく一般企業もYouTubeに広告を出したり、認知拡大やブランディング施策の1つとしてチャンネルを持つことが増えたよね。

佐野さんは、実際に動画を学ぶ1つの方法としてYouTubeを始めて、本業のWEBに生かせたってエピソードなんかあれば教えて欲しいな。


佐野さん:

以前にイベントで放送作家の方に出会ったのだけど、放送作家の方がYouTubeでチャンネルを立ち上げる際に動画編集をメインに協力させて頂いたのだけど、このことをきっかけにWEBの仕事に繋がったよ。

普段投稿している動画とは系統が違うし、自分のたちの動画に生かすための知見も広がったと思っているよ。



「YouTuberとしての活動に対する、まわりの反応は?」

筆者:

正直、両親や周りの友達は、佐野さんのYouTuberとしての活動に対してどう思っているの?


佐野さん:

親はビックリしている。「あんた、なにしてるの?汗」みたいな感じかな。笑

親戚は、動画も雑誌もみてくれたり、応援してくれているみたい。周りの友達は、「YouTubeって儲かるの?」って金銭的なことをよく聞かれるよ。



YouTuberの未来について

1. Youtuber専属事務所誕生による企業タイアップの効果

筆者:

普段、B to BのWEB制作会社で働いている身としては、YouTuberと企業が協力してどんなコンテンツを発信するのかがすごい気になっているよ。

ただ、YouTuberをタレントや読者モデルの代替として起用するだけでは、YouTubeという媒体から登場したYouTuberのパフォーマンスを最大限生かすコンテンツは生み出せないと個人的には考えているんだよね。

「例えばそれってどういうの?」ってのは、思考錯誤中。笑

是非、実務でYouTuberを巻き込んだコンテンツ制作はやってみたいんだよね。笑


そう思うとC to Cサービス企業のタイアップとは言え、佐野さんが活動している内容が私の思い描くYouTuberのパフォーマンスを最大限生かす方法の方向性として一番近いかもしれない。

他のYouTuberがやらないようなYouTuberという存在をフルに生かした企業タイアップ動画を投稿しているよね。


これまでの企業タイアップ動画一部紹介

修学旅行ツアー2015

  • クライアント:株式会社トラベルセゾン
  • 概要:リスナー(視聴者)参加型 旅行代理店タイアップ企画


出会い系アプリ タップル誕生を使っている女子大生とデートしてみた!

  • クライアント:株式会社サイバーエージェント
  • サービス:タップル誕生
  • 概要:出会い系アプリ実証


激安!2016年流行アッシュカラーに美容室でイメチェンしてきた!

  • クライアント:株式会社ミクシィ
  • サービス:minimo
  • 概要:美容アプリ実証


筆者:

アプリサービスとYouTuberは、相性が良いよね。

タレントでは、事務所の方針やタレントのイメージ保持、予算の都合などの理由で起用が難しい場合があったりするけどYouTuberなら行動範囲に自由度が高く、ユーザに影響力があるよね。

一方でYouTuber専属の事務所の出現により、事務所に所属しているYouTuberはタレントと同じように活動に制限があるYouTuberもいるよね。


YouTuber専門事務所について

日本で「YouTuber」という存在を認知させたYouTuberのヒカキンさんが代表取締を努めるUUUM株式会社、GENESISONE、NextStage、それぞれ事務所に所属するYouTuberを見ていると系統が分かれる。


「なぜ事務所に所属しないの?」

筆者:

どうして佐野さん(まいめんちゃんねる)は、事務所に所属しないの?たくさん有名事務所から声かけられているでしょ?


佐野さん:

上記にあがっている事務所から勧誘されたこともあるよ。

所属していない理由の一つは、事務所が担当する仕事を一通り全部覚えたいからかな。

あと事務所に入るなら初期メンバーで入るか、その事務所の中でトップクラスの数字(チャンネル登録者数)を持ってから入らないと所属しているYouTuberに埋もれる可能性があるからだよ。

コメディ系のような何か専門分野に特化していないジャンルのチャンネルだと、企業案件を紹介してくれるといってもトップ層が受けなかった案件しかこないんじゃないかな?って思っているんだ。

実際、そこそこチャンネル登録者数があっても大きい事務所の中では大したことがなくて、ほとんど「企業案件がこない」っていう声も聞いたことがあって。それなら自分たちで営業も交渉もやろうかな~と思ってね。

あと、僕はコメディ系のチャンネルだけで活動している訳ではないから、個人活動に制限をかけられるのは難しいんだよね。

WEBサイトを活用しての活動に関しては、WEB出身ってこともあって多少自分でわかるということと優秀な人が周りに沢山いるから事務所に入らなくていいかなと思っているよ。


筆者:

そう思うと事務所に所属していないのにこれだけ企業タイアップできているのは、すごいよね!

一方、大手事務所UUUM株式会社は、所属するYouTuberと企業タイアップしたことによりこれだけのYouTuberの効果と実績があるみたいだよ。



2. Youtuberの新しいビジネスモデル

筆者:

YouTuberの新しいビジネスモデルとして、今注目されているのが有料会員制のファンクラブだよね。

佐野さんも大注目しているYouTuberのファンクラブだけど、佐野さんはこのビジネスモデルについてどんなところに可能性を感じているの?


佐野さん:

僕らはたまにリスナーさん(視聴者)との交流として、オフ会を実施するんだ。

その際に有料会員制のファンクラブによって、純粋なファンやリスナーさん(視聴者)との交流が図れるという意味では、自分たちや参加者の「安全性を守る」という意味で安心できるかなと思っているよ。現に過去、冷やかし的な意味合いで参加する人もいたから。

有料会員制のファンクラブによりオフ会 参加者の質を引き上げられるところが可能性を感じたうちの一つかな。

ただその分、ファンクラブをつくるのであれば、自分たち自身の動画の更新頻度と質をあげる必要があると思っていて、環境を整えてからではないと「せっかくファンクラブに加入したのに・・・」のようなネガティブな意見が募り炎上する可能性もあると思っているよ。

もし、つくるのであれば「ファンクラブ限定」のような内容でファンクラブに加入した人が損をしない活動や企画をやりたいと思っているよ。


筆者:

有料会員制のファンクラブ設立により、YouTuberはタレントなのか?それとも素人なのか?で賛否両論あるけど、今まで主に動画の再生数でインセンティブを受けていたYouTuberにとっては、大きな変化とも言えるよね。



YouTubeの未来について

1.Youtubeの新機能追加からみる「ライブ動画(生配信)」の勢い

筆者:

CtoCサービスのトレンドの傾向として、YouTubeに続いて「生配信(ライブ動画)」があるよね。

ニコ生、ツイキャス以外にもふわっちやLINE LIVEそして、FacebookやYouTuberまでも「生配信(ライブ動画)」機能の追加をしたよね。

もともと映像を軸に活動しているYouTuberにとっても生配信(ライブ動画)は、相性の良い機能だから今後、企画や表現の幅も広がるんだろうなって思っているよ。


佐野さん:

うん、生配信サービスはものすごい勢いで増えてるよね!

中国だと生配信サービスで中国の女性配信者がリスナー(視聴者)からもらうプレゼント(アイテム課金)で月に数100~1000万稼ぐことでニュースになっていたね。

配信の内容を動画で観たけど、中国の女性配信者の私生活を生配信で垂れ流しにしていたよ。

日本でも女子中高生で月収数100万みたいになるのではないかと思っているよ。笑

「LINE LIVE」や「ふわっち」は、既に配信者にアイテムを送れてそれが配信者の報酬になるシステムだよね。

配信者ごとのファンランキングもあるからまさにキャバクラに似ているかも。

ちなみにYouTubeもSuperChatっていう配信の課金機能が導入される予定だよ。※

※SuperChat導入されました

個人的には、動画は編集次第で多少面白くする事ができるけど、生配信は編集ができないし難易度高くて苦戦しそう。笑


筆者:

まさに私が実際に配信をやってみた感じた難しさの1つでもあるね。笑

筆者:

最近では、ニコニコ生放送やツイキャスなどの配信サービスで活動する大手配信者がゴールデンタイムのTV番組に出演したりメディアからも注目されてきているよね。

このようなことから個人的には、2017年は「生配信(ライブ動画)」がトレンドとして来るのではないかと思っているよ。

SNSの歴史としても同じようなことが言えるけど、写真から動画、動画から生配信のように情報を発信する側と情報を受け取る側の情報を受け取るまでの時間の差が縮まってきていることがわかるよね。



Youtubeの新機能「SuperChat」とは?

筆者:

今までYoutubeでの収入源は、投稿した動画の再生数だったけど、さっき佐野さんの話しにもあったように新たにYouTubeでも生配信(ライブ動画)で収入を得られるようになるってことだね。

さっきの佐野さんの話しにでてきたYouTubeの生配信(ライブ動画)機能「SuperChat」は、以下のようなシステムなんだね。


SuperChatとは?

Super Chat は、ライブ配信中に視聴者とクリエイターが交流するための新しい方法です。視聴者は Super Chat を購入することで、チャット ストリームの中で自分のメッセージを目立たせることができます。

筆者:

佐野さんもYouTubeでの生配信(ライブ動画)の録画があがっていたけど、今まで動画の再生数で収入源を得ていたと思うのだけど従来のモデルを踏まえて実際にやってみてどうだった?


佐野さん:

YouTubeの生配信(ライブ動画)機能は、既に利用できるけど課金システムである「Super Chat」は、まだ利用できないんだ。

だけど実際にYouTube LIVEをやってみて「LINE LIVE」や「ふわっち」にも言えることだけどこのサービス自体の概念として路上パフォーマンスのネット版というとらえ方をしているよ。

何か人にみせる芸がある人やアイドル、容姿に自信がある人には、向いているのかなと思う。


筆者:

もともとYouTuberは芸を持った人が多く動画投稿をしているし、YouTube Liveでリアルタイムでしか味わえないスピード感や臨場感により視聴者からの対価としてうまくいけば動画再生数よりも多く収入を得ることが可能になるのではないかなと個人的には思っているよ。

例えば、YouTuberでもありヒューマンビートボックスをやっているDaichiさんや大食いタレントの木下ゆうかさんなどは、YouTube Liveでも活躍するのではないかな。


2.YouTubeの使われ方の変化

佐野さん:

最近感じることなんだけど、起業家とYoTuberは近い。起業の手段としてYouTubeを使用するってことかな。

Googleアドセンスが招待制だった時は、純粋に動画投稿が好きな人がYouTuberに多かったよ。集まるとお金の話とかではなく、「どんな企画が面白いか?」みたいなコンテンツの話や撮影方法の話などをよくする。

だけど、最近YouTubeに参入してきた人はビジネス視点やマーケティング視点の人が多いよ。純粋に動画投稿が好きでYouTuberやっている人と話す内容も違うよ。

案件や収益についてなどが主な話題になるよ。

話す内容の違いなどを比べるとYouTubeの使われ方が変わってきているって思うよ。


筆者:

佐野さんは、動画投稿が好きでYouTuberをやっているの?それともビジネス視点でYouTuberやっているの?


佐野さん:

俺は、両方かな。

欲張りな話しだけど仲のいい人と面白いことやって、それを仕事にできるものは何かな?と考えていた。それがYouTubeだったんだよね。


筆者:

佐野さんのゴールはどこなの?


佐野さん:

全体を俯瞰してみると達成度はまだ30%くらいでゴールがどこなのかもまだ模索している最中だよ。笑

直近の目標でいうとメインチャンネル(まいめんちゃんねる)と俺が携わっているチャンネルのチャンネル登録者数を合計で100万人達成することかな。


筆者:

今年中にそれ達成するよ。笑




―佐野さんに出会ってYouTuberの概念が変わった

YouTuberが世の中に一気に広まった時期、YouTuberはモデルやテレビタレント、CDデビューなどのきっかけをつかむ場の1つであると思っていました。

一視聴者として、いろいろなYotuberの動画見ていて佐野さんに興味を持ったのは、「この人は、他のYouTuberとは違うことを考えてYouTubeをやっているんだろうな」と思ったことがきっかけでした。

「自らがモチーフとなって人気になりたい」といった願望ではなく、「裏方として自らのチャンネルを育てたい」という思考から、動画マーケティングや企業とのタイアップ動画へ多く繋がり、本業でもある本来WEB事業に生かされているんだなということがわかりました。


それと佐野さん自身が人が良く、賢くて誠実なので人が寄ってくるんですよね。笑

いそがしいところ本当にありがとう!これからも宜しく!