炎上案件とは一体何者だったのか?炎上案件に出会したら知っておきたい3つのこと

お疲れ様です。WEBディレクターのZAMAです。

来年の4月でWEBディレクターとして新卒でWEB企業に就職し8年目になりますが、3度ほど炎上案件を体験しました。

1度目は、私が新卒1年目の初案件でした。

2度目は、他部署で担当していた案件が炎上し火消し役として途中から入った小規模な案件

そして、3度目は、つい最近のこと。

半常駐という契約で顧客側の人材として働く案件で私がジョインした際には、2度目同様に既に大炎上していました。


これらの3度の炎上案件から私は、炎上案件が発生するカラクリとその際の心の持ち用、対処法を学びました

本日は、炎上案件に出くわした際に覚えて頂きたいこれらのことについて紹介したいと思います。


1.炎上の瞬間

ITやWEB業界で働く人にとって、すべての人が「炎上(案件)」を恐れているのではないでしょうか?

ただし、私たちの仕事柄上、プロジェクトの規模や体制、プロジェクト難易度などの理由から100%避けるということは不可能で3年ほど働いていれば、一度は「どこそこのプロジェクトが燃えている」など耳にしたり、目にしたりするものです。

では、一体なぜ炎上案件は起こってしまうのでしょうか?


ケース1.間違った思いやりからプロジェクト外の人に相談をしなかった

1度目の新卒1年目で初めて担当したプロジェクトでのことでした。

私は初めてのプロジェクトということもあり体制図上、俗に言う2枚目、3枚目の位置付けである「ディレクター」としてジョインしました。

その上にチーフディレクターとして先輩が1人いました。


結論から申し上げますとこのプロジェクトが炎上したのは、体制が理由でした。

後ほど詳しく解説しますが、私はこのプロジェクトで一緒にお仕事をさせて頂いたチーフディレクターの方が大好きですし、今でも同じ会社で働いているのでこの方を特定したり、この方に関する何かに対して悪く言うつもりは一切ありません。


ただ、この私の思いがプロジェクトとして間違った行動に仕向けてしまったのが炎上の一番の理由です。


趣味でWEBサイトはずっと作って来たものの、就職してからプロとしてのWEB制作工程について、右も左もわからずチーフディレクターの方に仕事を教えて頂きながら新卒なりに頑張って働いていました。


ただ、プロジェクトがしばらくたって、計画していたスケジュールからやるべきタスクがどんどん遅延していき、タスク管理ツール上で炎のアイコンが連発するようになったのです。


そして、目に見えてチーフディレクターが処理できないほどタスクを抱え込んでいるのがわかりました。

が、新卒の私にはそのタスクを分担して対応できるほどのスキルもなく、要領もわからず、ただ見ているだけしかできませんでした。


チーフディレクターの方が日に日に苦しそうになっているが、これがWEB業界なのか?大変だと覚悟して就職していたけどこれが普通なのか?そう思って、ただただ大好きなチーフディレクターの方を元気づけようと明るく振る舞っていました。


他の先輩に相談してみようとも思いましたが。ですが、それではまるで「チーフディレクターが仕事ができない人だ」と私が言いつけるような感じになってしまうのではないかと思い、私は誰にも相談しませんでした


そんなある日、チーフディレクターの方がインフルエンザにかかり、2週間出勤不可となりました。

これが負のスパイラルの始まりでした。

チーフディレクターが病欠となれば仕方がない、新卒だけれども2枚目の私がチーフディレクターが抱えていたタスクを処理しなければならないのです。

正直、このあたりから目の前が真っ暗となり、記憶がありません。

四方八方から「このタスクはどうなっている?」「クオリティに問題はないのか?」とさまざまな職種の人から問われました。


この時、私には他の事情もあり、気がつけば会社のトイレにこもってひたすら止まらない涙をぬぐっていました。

その翌日から、私は会社に行けなくなりました。

悲しくもないのに涙が止まらない過呼吸が止まらないという状況で、人事の方に相談したところ鬱病の一歩手前の症状だということで一週間強制休暇になりました。


私は、この時を振り返るとこう思います。

大好きなチーフディレクターの人のためにも、まわりに「何かがおかしい」「通常仕事とはこういうものなのか?」とわからないなりに誰かに相談すればよかったと。

そしたら、大好きなチーフディレクターの方を楽にさせてあげることができたでしょう。

自分もこんなにボロボロにならなくても良かったことでしょう。

まさしく、この間違った思いやりと判断が炎上の瞬間だったのかもしれないです。

あの時、あの瞬間に誰かに相談していたらまだ事態は軽症で済んでいたのかもしれません


その後、私はまるまる一週間体調を大きく崩しましたが、どうにか調子を取り戻しプロジェクトの体制も強化して、最後までプロジェクトをやり切ることができました。


ケース1のまとめ

炎上の本当の怖さ、それは失敗でも赤字(コスト)でもなく、人の精神を蝕むことなのです。

そして、プロジェクトというものは閉ざされた空間でもあり、内部にいないと事情がわかりずらいものなのです。

そんな時に客観的な意見というのは、とても貴重です。

もし、これを読んでいるあなたがベテランのディレクターや人材であれば、プロジェクトの異常に気づくことができ、上司に増員要請をするなり、スキル感のフィットした人を加えるなど正しい行動ができるでしょう。

ただし、若手の場合、何が問題でどうしたらいいのかわからないというのが難しいところなのです。

とにかく異常を感じたら、プロジェクト外の人にアラートを挙げる、意見を求める、相談するということをやってみましょう


ケース2.頻繁な体制変更により各タスクの課題や要件がブラックボックス化

これは、つい最近担当した3度目の炎上案件で経験したことです。

冒頭で私がジョインした際には既に大炎上していたと記載しました。

こちらのプロジェクトの課題は、根が深く、そして1つ1つのタスク・課題がとにかく重いというのが印象的でした。


客観的に見て、何が原因なのかをずっと探っていたところ、頻繁な体制変更により各タスクの課題や要件がすべて伝言ゲーム状態となっており、着手したものの実は全く違う要件でしたという結果に陥るのが日常でした。

誰が何をどこまで合意して、ネクストアクションは何なのか?それがどこにも記録として残っていないため非常に効率が悪いです。

ましては、真の課題・要件を探るのに時間がかかり、その作業を誰かがやらなければ正しい遂行はできないはずなのですが、その作業を行わないまま頻繁に人の入れ替わりが発生した結果がこれでした。


きっと、このプロジェクトに関しては上記のことだけが炎上の要因ではなかったと思います。


ケース2のまとめ

規模が大きなプロジェクトほど、増員や担当者、体制変更の可能性は高まります。

そのために上記のようなことを避ける解決策は2つあります。

  1. 各タスクの正しいステータス管理とスケジュールの最新化
  2. 一貫したプロジェクトマネジメントができる人材の踏襲

「1.」については、その言葉のとおりで誰が何を誰とどこまで合意形成したのかを記録することです。

それは、タスクをブレイクダウンしたスケジュールの最新化でも良いですし、タスク管理ツールの各チケットでも、エクセル形式でも良いです。

大切なのは、担当した自分ではない他の誰かが継続して適切なネクストアクションを遂行できる状態、正しい情報を共有・提供できる状態を常に意識することが重要です。


「2.」は、プロジェクトの開始からリリース・公開までプロジェクトの流れや背景を把握できる人材のことを指します。

「2.」が実行できるのであれば、「1.」はそこまで時間を割いて管理しなくても良い場合があります。

が、ベストなのは「1.」と「2.」が並行して行えることだと私は思います。



2.炎上案件に出くわした際の心持ち

正直、私は炎上案件に対して過度なトラウマを持っています。

直近、出会した炎上案件の際にも、最長5日間連続で仲の良いベテランディレクター兼師匠の先輩に泣きながら電話して助けを求めるほどパニックを起こしました。


そんな時、その心優しい先輩がいつも言ってくれた言葉に何度も救われました。

「炎上させたのは、君じゃないんだから『知らねえ』くらいの心持ちでいなさい。」

少し強引に聞こえるかもしれませんが、その言葉を聞くたびに「確かにな」と心が落ち着きました。

なんで私がこんな一人で毎日毎日、泣きわめいているのだろうか?私がジョインした際には、既に炎上していたのに。


あるネット記事では、プロジェクトと自分を切り離す。という心持ちでいること。

そして、いつもの60%程度のクオリティで仕事をするということを知りました。

なぜなら、炎上案件とは異常な事態、あるべき姿ではないので100%のクオリティを発揮しようとしたところでひっくり返ることがあり得るので手を抜くのだと。


これが頭ではわかっていても、なかなか実践できないものです。

次のパートでは、3度の炎上案件を経験して知った対処法についてお伝えします。



3.炎上案件に出くわした際の対処法

対処法1.プロジェクトメンバー外に相談

これは「1.炎上の瞬間:ケース1まとめ」でお伝えしたとおり、客観的な貴重な意見をもらう目的、アラートを挙げる目的のために実行します。


対象法2.燃え尽くして課題と残タスクを炙り出し切る

これは、プロジェクトマネジメントを専門領域としている先輩から聞いた話なのですが「1.炎上の瞬間:ケース2」の課題・タスクのブラックボックス化状態に有効的な方法です。

とにかく火消しをするために何をやらなくてはいけないのか?を把握する際にとても有効です。

ただし、これはタスクの前後関係や優先順位、クリティカルタスクの関係がわかるスキルがある人材がプロジェクトにいないと実行したところで立て直しができないので難易度は高いです。


対処法3.燃えてようが関係ない、やるべきことをただひたすらやる

これもプロジェクトマネジメントを専門領域領域としている先輩からの助言ですが、燃えてようが燃えてなかろうが関係ない!やるべきことをやるんじゃい!という強気な戦法です。

この方法は短期間、早期立て直しの際にとても有効ですがそれと引き換えに増員が条件となります。

そのため、増員できる人材がいること、その権限を持っている人を説得することができることが重要です。


対処法4.逃げる(休職・退職)

今回、この記事を書こうと思ったのは、実は私は直近体験した3回目の炎上案件で逃げたからなんです。

退職覚悟で私は逃げました(ただしくは、休職をしました)。

今までにない異様な不安感であったり、気づいたら知らない場所にいたり、記憶が飛ぶといった体に異常を感じました。

このままでは死ぬかもなとさえ思い、この決断に至りました。

仲の良い先輩や上司、会社のメンバーにたくさん迷惑をかけました。

でも、私たちは死んでまで仕事をすべきなのだろうか?という疑問が常につきまとっていました。

メンタルが弱いという自覚があるため、さまざまなことを行ってきましたが通用しないんだなと思い、病院に行き自分の病気を認識して、いったん仕事から離れることを決め、復帰も視野に入れているなかでどのような心持ちでこれから仕事をしようか。と整理のためにもこれを書こうと決めました。


いつも会社の後輩には、「死ぬくらいなら会社を辞めなさい。仕事のために死ぬ必要なんて全くないよ。」と言うのに自分がそうなりかけた時、先輩が助けてくれて、今に至ります。



最後に

私が3回目の炎上案件に対面している時、たくさんの人の言葉やネット記事に書かれていることに心救われました。

もし、あなたが今、当時の私と同じような状況や気持ちで極限状態に陥っているのであれば、「4.逃げる(休職・退職)」という選択肢も正しいということを知っておいてください。

人生、仕事が全てでないということも頭の片隅に入れておいてください。


また、あなたが若手でプロジェクトの異常(炎上案件)について、ピンときていない人のために私が経験した限りの事情をいくつかご紹介します。

これにあてはまっているのであれば、それは異常であり、炎上案件と言えます。

  1. 深夜1時前後、もしくはそれ以上超えてもプロジェクトメンバーが稼働している
  2. 家に帰らない/帰れない
  3. 土日も稼働している
  4. 最新のスケジュールがないままプロジェクトが遂行している
  5. すべての残タスクにおいて対応や着手を催促されている
  6. 課題の対応策が見えない/対応策を考えることができるスキルの持った人材の投入を検討していない


間違った選択をする人が一人でも減りますように。

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